「あなたは誰に介護してもらいたいですか?」
先日の高齢者対応住宅研修会のブログの続きです。
『目から鱗、いつもと違う』
今の社会は高齢化に伴ういろいろな問題があります。この講習も伝える内容が多く、丸一日の講習となりました。
今回の講習会では、いつもの研修と違います。
普通、建築の講習会というとその道のプロ達が行うことがほとんどですが、この住宅講習会の講師の方々は「介護支援専門員」「理学療法士」つまり、介護の現場に直接携わっているプロの方です。異分野の講師の話を聞くことで「目から鱗」、日頃、気がつかなかった事に気付かされます。
『あなたは家族の誰に介護してもらいたいですか?』
小泉元総理と言うと郵政民営化とかがすぐ頭に浮かぶと思いますが、小泉元総理の構造改革の中に医療改革もあり、この改革もえんえんと行われています。
その中で、病院の在院時間の短縮化が進んでいて病院から他の場所へ移動しなければならない事態が進んでいます。
となると高齢者の帰る所は、「施設」か「在宅」の二か所。
そして現在、この改革の療養型病床の大幅削減により、病院、施設から18万人もの人があふれてしまうことが予想される。
この方々はどこへ行くのか?・・・在宅になるという話です。
あなたは家族の誰に介護してもらいたいですか?
講師から「あなたは家族の誰に介護してもらいたいですか?」という質問がなされました。
会場に挙手を求められました。
結果、男性のほとんどは奥さんに。女性もほとんど、ご主人に。やはり連れ添ってきた方がいいんですね。「息子の嫁さん」で挙手なさる方はいませんでした。奥さんは旦那さんを大切にしなければいけません。
『一方的ではいけない』
ともすると高齢者を抜きにして、介護をしている人や家族の意見を優先する場合が多いそうです。
しかし、ここで大事なことを忘れています。高齢者本人のことを。
“おじいちゃん、どうしたいの?”
と本人の意見を絶対聞くことが必要です。
例えば廊下の手すり一つとっても握力や力の入れ方が人によって違う。本人が自立するのが目的なのだから、一方的に高さや太さを家族や第三者が決めつけてはいけない。
私も高齢者の方や、車椅子の方の家の新築等を経験しております。単純にバリアフリーという言葉では片付けられない問題が沢山あります。
心のバリアフリーという言葉もあります。ともに解決していきたいと思います。
新築とかではなく、リフォームでも解決することが多いです。
気にかかることがありましたら、ご相談ください。
次回はこの研修会に学んだことや、これまでの経験を生かした自分の考えも取り入れて書いてみたいと思います。